前回の記事↓の続きで、今回も入院中の幻覚・幻聴・妄想の不思議な体験を書きたいと思います。
・一番目、二番目。編
発症した時と同じように、再びテレビを通して主演者と意思疎通が図れるようになったヤニドレイ。主演者から目に関することを言われ、プロビデンスの目を思いつく。ふと、自分の目を確認するため手洗い場の鏡で目を見つめていたら鼻血を出したのが前回までの話。
鼻血は出ましたが一瞬で止まり、私は病棟内をうろうろしていました。
病棟のドアが開くのが見え、新しい入院患者さんが入ってきました。その入ってきた患者さんに一瞬驚きました。
(あれ・・・、なんで、俺のお爺ちゃんがいるんだ・・・)
しかし、よく見るとただ似ている人でした。ただ、顔が似ているのはもちろん服装と髪型、そしてメガネまでそっくりでした。
その後、毎日のようにホールで私がテレビと無言で意思疎通を図っていると祖父に似てる方に話かけられました。
祖父に似てる方「ここは長いの?」
流石に声は私の祖父に全く似ていませんでした。
ヤニドレイ「いえ、入ったばかりです。入ったというより、連れられて・・・」
祖父に似てる方「それは大変だったね。学生なのかな?」
ヤニドレイ「浪人生でした・・・。勉強らしいことはあんまりしませんでしたが」
祖父に似ている方はTさんと名乗られ、その後もTさんとはよく話をさせていただきました。
ある日、私が他の仲が良かった入院患者の方(Iさん)に自分が入院した経緯や原因(操り主とのテレビの件)をまとめたノートを見てもらいました。
Iさん「ヤニドレイくん、素晴らしい。これは色んな人に見せるべきだよ」
ヤニドレイ「あ、ありがとうございます」
Iさん「けど、良かったね復活できて」
ヤニドレイ「えっ?復活?」
Iさん「あー、病状だよ。深い意味はないよ」
この時は主治医や看護師、入院患者にはテレビと意思疎通のことは黙ってました。
ヤニドレイ「なんだ(笑)。けど1ヶ月前のことですが昔の自分が別人みたいです。こんな純粋だなんて。だって世界を救うために家出1するんですよ!」
Iさん「じゃあ、今のヤニドレイくんは二番目だね」
ヤニドレイ「そうですね(ちょっとよくわからない・・・)」
そんなことを病棟の庭にあるベンチで話していました。
病棟に戻るとTさんと廊下ですれ違いました。すると私の手をグッと掴んで声を震わせながら
Tさん「私は本当は一番目の君が良かったんだ。私は・・・、私は・・・」
Tさんは頭を抱えました。
驚きながらも、自分は冷静にその場を去りました。
疑問が次々と湧き、再びホールに行きテレビと意思疎通をして答えを聞くことにしました。
続く
- その当時を詳細に書いた記事です↓
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