お久しぶりになってしまいました。
現在kindleで出版を目指している闘病記の執筆やら、通所しているA型作業所とやら、そしてネタ切れにより更新が滞っていました。
今日もこのシリーズの続きを書きたいと思います。
前回↓
・未来人お爺さん編
入院生活にもだいぶ慣れたわたくしヤニドレイ。
同じ入院患者さんとも交流ができ、世間話したり、ボードゲームで遊んだりと気ままに過ごしていました。
ある日のことでした。
緑の帽子を被った車椅子に乗ったお爺さんに話しかけられました。
「絵を描いた」
絵には車が描いてありました。ただ、普通の車の絵とは違い、宙に浮いているような車の絵でした。
タイヤの部分は青く、地面は赤く描かれていました。
ヤニドレイ「車が浮いてますよ」
お爺さん「未来の技術だよ。反重力」
他にも絵を見せてもらいましたが、絵が上手い、下手とかではなく想像力豊かな子供が描いたような絵だったので、見てて面白かったです。
そのほかの絵は、スターウォーズのライトセーバーのような光る剣を持った警察みたいな人。
青に光るレーザー銃で撃ち合いをしている兵士。
お爺さんの年齢は詳細には分かりませんが80は超えていそうな風貌でした。
最初はとても想像力豊かなお爺さんなんだなと思いましたが、自分の妄想も相まってこのお爺さん、実は未来から来たんじゃないかと勝手に信じ込みました。
その後、ホールで新聞を読んでいた時のことです。
その未来人お爺さんが車椅子で近寄ってきました。
未来人お爺さん「君は洞察力があるようだが、まだまだだね」
ヤニドレイ「どういうことです?」
未来人お爺さん「私はこれ以上は言わないよ。鉛筆をやる」
未来人お爺さんから鉛筆を頂きました。その鉛筆自体は特に未来感はなく、普通の緑色のトンボ鉛筆でした。
・鉛筆でコミュニケーションを取る男編
完全にこのお爺さんは未来人だと信じ込んだ私は、貰った鉛筆を注意深く観察しました。
どこをどう見てもただの鉛筆でしたが、急にふと私が小学生の時に流行ったドラクエのバトル鉛筆を思い出し、試しに転がしてみました。
六角形の鉛筆はトンボ鉛筆のロゴが上になりました。
再び転がし、また再び転がし、十回ほど転がしました。
何度転がしても、トンボ鉛筆のロゴが上になりました。
ヤニドレイ(これはどうなっている……。どこかしらとコミュニケーションが取れるのか……。)
病棟の個室に戻り、「あなた達は宇宙の人たちですか?」とか「これは妄想ではないのですか?」などの言葉を頭に浮かんでから鉛筆を転がし、最初の質問はロゴ以外が表示され、次の質問はロゴが表示されました。
ヤニドレイ(未来の技術かな……)
鉛筆を転がすと、ロゴが表示されました。
この現象を主治医にも同じ入院患者にも言わずに黙って一人でしばらく楽しんでいました。
しかし、しばらくしてこの鉛筆を転がしてコミュニケーションを取ることが出来なくなりました。
・・・・・・・
今考えると鉛筆は妄想だと思うのですが、とても不思議な体験でした。
なぜ、お爺さんから鉛筆を渡されたかも謎ですが、大した理由はなさそうです。
自分の妄想は主に自分や誰かに危害を加えるわけではないSF的なものでした。
そのため、現実世界が楽しくないときに妄想の世界にどっぷり浸ってしまいました。
今現在はこのような不思議なことは残念ながら(?)起きません。(眠剤の影響で幽体離脱はしますが…笑)