統合失調症の発症⑥  最終話・出れない部屋と守る場所

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前回の続きです。


統合失調症の発症シリーズの最終話です。

前回までのあらすじ
ネットの陰謀論にすっかりハマってしまったヤニドレイ。

調べるほど陰謀論にのめり込み、自身の生活にも影響があるのではないかと疑うようになる。

疑いが強くなると同時に偏頭痛を感じるようになった。

そしてある日、ラジオやテレビの主演者と心の中で言葉を念じたら、意思疎通ができるようになった。 しかし、それは電波によって、主演者が操られていることを知り、その上に操り主がいることを知る。

操り主から、ラジオやテレビの意思疎通で様々なことを聞き、悪魔崇拝をしている秘密結社と戦うために旅に出てほしいと頼まれる。


深夜、こっそりと自宅を出るヤニドレイ。 飲み食いもせず、歩いて隣町まで行った。

昼間にふらふらになり、歩いていた警察官に声をかけたところ、警察署に連れられて保護された。両親が迎えにやってきて家に帰った。


そして、また旅という家出をしようとするが、父と母に止められ、父親にテレパシー使って事情を説明し、その日は寝た。


翌朝、テレビの映像がぐちゃぐちゃで声が止まることのなく聞こえ、窓ガラスを割れと聞こえた。そしてグラスを投げ割った。


父親が誰かと電話をしていた…。


父親が電話で、誰かと敬語で話していました。

「はい、住所は〇〇で…」


私はこの時、意識がもうろうとしていて、心のどこかで操り主に連絡しているのではないかと思いました。


5分もかかりませんでした。救急隊が家にやってきました。


私はなぜか目を瞑り、誰かの手を握っていました。


目を瞑ったまま、乗り物に乗り、横になりました。


(私は負けたのですか?)ふと、そんなことが頭に浮かびました。


(そうだ)脳内に響きました。もうラジオもテレビも無いのに直接聞こえました。


耳から響くサイレンの音。


ヤニドレイ(私はどこに連れて行かれるのですか?)


操り主(我々に負けた人たちが行くところだ)


ヤニドレイ(我々?)


操り主(そう我々。君が戦っていた、例の秘密結社だ)

ヤニドレイ(ふざけんな)


操り主(もう遅い)


車が止まったのがわかりました。目を開けて車内から出ると辺り一面木々がたくさんあり、自然の中でした。


「空気がうまい」と負けたのにこんな悠長なことを言いました。(※この発言に親は少し安心したみたいです)


そして、恰幅のいい白い服を着た男の人に案内されました。


案内され、白衣を着たメガネの若い男性がいる部屋に行きました。

「今は、興奮状態で、ドーパミンがとても出ているのです」 冷静にその白衣の男性は言った後、続けて私に聞きました。


白衣の男性「どうして、窓ガラスを割ったんですか?」


ヤニドレイ「独裁者が閉じ込めてるからです。時代が変わります」


その後、狭い部屋に案内されました。この時親はついておらず、私一人でした。


扉が閉まりました。壁は白く、部屋なのに扉にドアのぶがありません。

ヤニドレイ(終わった…。閉じ込められた…)


???(閉じ込められてない。大丈夫)女性の声が脳に響きました。


ヤニドレイ(あなたは?奴らの味方?)


女性の声(違う、あなたの味方。いずれわかるよ。扉開けてみて)


口の中に何か感触がありました。髪の毛のようなものでした。口から出してみたら、私の何倍もある髪の毛の長さで金色でした。


ヤニドレイ(これは?)


女性の声(今は言えない。まず扉を開けてみて)


扉を開けようとしました。 なんと簡単に開きました。(※看護師さんが鍵をかけ忘れていたのでしょう)

扉が開いたので部屋を出ました。

隣の部屋で私と同じように閉じ込められている若い男性と目が合いました。


そして、50代ぐらいの白い服の女性に「なんで!」と言われ、すぐに体格のいい男性に取り押さえられました。


「やめろ!」私は大声で言いました。


「なんで扉が開いてるんだよ!」
「拘束の持ってきて!」

そして、いつの間にか意識がなくなりました。


それから…

(眩しい…)
目を開けると、白衣を着たメガネの男性がいました。その男性はペンライトを持っていました。


白衣の男性「気がついたかな?体調どう?」


ヤニドレイ「ここはなんですか?」


白衣の男性「ここは病院。僕は精神科医のA。ここはヤニドレイ君を守るところだよ」


ヤニドレイ「はぁ」

部屋の外に出ました。通路を出ると、車椅子のお年寄りと、猫背のおばさん。


(確かにここは病院みたいだ…。精神病院か…)


小学生ぐらいの子供が走ってました。


看護師「おーい!走るなよ〜!」


(俺、何してたんだろう…)

部屋に戻り、昼食を食べました。

数日後…


入院生活も慣れ、話し相手もできました。


看護師からノートとボールペンを購入し、発症した経緯を書きました。


そして、患者仲間に見せたり、主治医のA先生に読んでいただきました。

さらにその数日後、両親がお見舞いに来ました。 ホッとした顔をしていました。

父親「元気そうだな」

母親「ご飯美味しい?」

ヤニドレイ「普通かな笑」


終わり


全6話ある『統合失調症の発症』を読んでいただきありがとうございました。

入院の体験記もいづれ書きたいと思っています。



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